北海道の旅は、札幌の1〜2泊から始まるか、そこで終わることが少なくありません。そして「中心部っぽくて、よさそうな」ホテルを最初に取りたくなります。それで困らないことも多い——札幌の中心はコンパクトで地下鉄も分かりやすい——のですが、候補になる3エリアは交換可能ではありません。向いている旅が違い、その差は決まって2つの場面で出ます。荷物を持って着いたときと、夕食のあと部屋に戻るときです。
札幌で車は要りません。むしろ無い方がいい。駐車場は高く、街は徒歩と地下鉄でできています。この記事は歩く前提で書いています。
位置関係をひと段落で
3つの場所が、地下鉄の南北の背骨に沿って数分おきに並んでいます。札幌駅が北端。交通の結節点で、駅ビルには飲食店とデパ地下が固まっています。大通が中間。街を横切る公園、屋根のある狸小路、そして昼どきの中心。すすきのが南端。北海道最大の歓楽街で、夕食もその後もここで起きます。札幌で食べるものにも書いたとおり、中心部で食べる価値のあるものは、ほぼ大通から徒歩20分か地下鉄で少し、の範囲に収まっています。
地図はこれで全部です。あとはトレードオフの話。
札幌駅 —— 実務的な拠点
ここに泊まるべきなのは、空港から荷物を持って着く人、朝早く出る人、鉄道で日帰りを重ねる人。小樽なら気楽ですが、それより遠い先を日帰りに組むなら先に時刻表を見てください。ホームから部屋までが短いほどこのエリアの価値は上がります。歩道が凍る2月には、9月に想像するより効いてくる。ただし「札幌駅エリア」は数ブロック先の建物まで含むので、自分のホテルが改札からどれくらいかは確認してください。
駅ビルには飲食店とデパ地下が密集していて、疲れて着いた夜には助かります。ただし深夜に着く・夜明けに出るなら、営業時間は確認してください。多くは普通の商業施設の時間で閉まります。
引き換えに失うのは雰囲気です。ここは交通と商業の街区で、夜は人が引きます。夜の中心まで歩く距離は、短いとはいえ確かにあります。
大通 —— 真ん中で、いちばん外さない
ここに泊まるべきなのは、2〜3泊の街滞在をひとつの拠点で済ませたくて、あまり考え込みたくない人。駅にも歓楽街にも歩いていけて、公園が目の前、狸小路のおかげで天気が崩れても屋根の下を移動できる区間があります。ただし街区全体が覆われているわけではないので、雪の中を歩きたくないのが主目的なら、ホテルが地下歩道に繋がっているかを確認してください。
引き換えは、両端でわずかに妥協することです。到着日の楽さでは駅前に一歩譲り、深夜の近さではすすきのに一歩譲ります。
迷ったらここで取ってください。3つの中でいちばん、後から融通が利きます。
すすきの —— 夜のために
ここに泊まるべきなのは、札幌での目的が食べることと飲むことである人。ラーメン、ジンギスカン、居酒屋、そのあとのパフェ、全部が階下にあります。1月のジンギスカンのあとに歩く距離として「階下」は正しい。
引き換えは、歓楽街であること。それに伴う音と客引きがあり、3つの中では荷物を持って駅から来るのが最も遠い。賑やかで良いと感じる人もいれば、多いと感じる人もいます。子ども連れなら他の2つが楽です。
早見表
| あなたの旅 | 取るべき場所 | |---|---| | 早朝便の前泊、または深夜便の後泊 | 札幌駅(空港連絡の始発・終発を確認) | | 2〜3泊、街歩きと食事が中心 | 大通 | | 食べて飲むのが目的、夜は遅い | すすきの | | 鉄道で日帰り、とくに小樽 | 札幌駅(それより遠い先は時刻表を確認) | | 小さな子ども連れ | 大通か駅前(すすきのは避ける) | | 真冬、氷の上をあまり歩きたくない | 大通(宿が狸小路や地下歩道に繋がっているか確認) |
予約前に知っておくといい2つのこと
2月上旬は普通の週ではありません。 雪まつりで同じ数日に人が集中し、近づくほど中心部の部屋は取りにくく、高くなります。日程がそこにかかるなら、必要と感じるより早く押さえるか、地下鉄沿線の少し外も見てください。
住所から実際に歩ける範囲を確認してください。 「札幌中心部」はかなり広く、10月なら大通から徒歩15分のホテルも、1月の雪の壁の中では別物です。地下鉄があるので致命傷にはなりませんが、エリア名ではなく最寄りの地下鉄出入口がどこかを見てください。
旅全体の中でのこの1泊
札幌は目的地というより、北海道の旅程の蝶番であることが多い。前後に1〜2泊ずつ置いて、本編はその間にある、という形です。まだ組めていないなら北海道の旅程ガイドから。何日必要で、どの順に回るかを扱っています。
荷物を置いたあと何を食べるかは札幌で食べるものをエリア別にまとめています。拠点を決める前に読む価値があります。食べたいものが一つの街区に偏っているなら、それで答えが出るからです。
ノーザンランド北海道 編集部(札幌)