正直に言うと、5日間で北海道を「見尽くす」のは無理です。1エリアをきちんと見るだけで精一杯の日数です。ただ、この5日間にほぼぴったりはまる形のルートが一つだけあります。札幌を起点に、小樽・ニセコ・洞爺湖を経て函館まで南下し、登別を挟んで空港へ戻る道央の周回ルートです。北海道の「ゴールデンルート」を初めて走る人は、だいたいこの円のどこかをなぞることになります。地理そのものが、このルートを作っているからです。
このルートの総距離は約634km、5日間の走行時間は合計で約9.7時間。1日あたりの運転はどこも2時間前後に収まるので、町の中身を味わう時間がちゃんと残ります。自分でルートを組み替えてみたい方は、このルートをプランナーで開く → からどうぞ。
まだ「車で回る周回ルート」が自分の旅に合っているか迷っている場合は、北海道旅行の組み立て方ガイドでエリアの選び方・必要日数の考え方を先に確認してください。この記事は「5日間・道央・レンタカー」まで決まっている前提で、ルートそのものを具体的に紹介します。
このルートが機能する理由は、往復ではなく本物の「周回」になっている点です。新千歳空港からスタートし、道央南西部を時計回りにぐるっと回って、5日目の最後にほぼ同じ道を通らず同じ空港に戻ってきます。これは意外と大事なポイントで、地図上の接続を確認せずに行き先を並べると、札幌を2〜3回通り直す羽目になる旅程がよくあります。
このルートは夏場の旅行を想定して組んでいます。峠道が開いていて、洞爺湖の夜も外で花火を眺められるくらい暖かい季節です。同じ6つの町を冬の周回に組み替えることも可能ですが、走行時間はもっと長くなり、順番も見直したほうがいい別物になります。
1日目: 札幌 → 小樽(約1.6時間・101km)
新千歳空港に到着したらレンタカーを借りて、まずは札幌で数時間過ごします。日本第5位の都市にして北海道の玄関口。ラーメン横丁と1876年からの歴史を持つビールが、初日から旅を後押ししてくれます。食が最優先なら、札幌グルメガイドにミソラーメン・スープカレー・ジンギスカン・シメパフェまで一通りまとめてあります。
夕方に小樽まで約1.6時間・101kmを走ります。小樽は日帰りより一泊が正解の町。運河沿いのガス灯とニシン御殿の建物は、日中の人波が引いた夜に本領を発揮します。鮨で一日を締めくくるのもいい終え方です。
2日目: ニセコ → 洞爺湖(約1.7時間・113km)
小樽から内陸に向かい、ニセコエリアへ。ヒラフ村の賑わいから離れた、静かな側のニセコ町を訪ねます。羊蹄山を望むファームトゥテーブルの名店が点在するエリアです。ニセコの成り立ちが地図だけだと分かりにくい地域なので、詳しくはニセコ旅行ガイドで全体像をつかんでください。
そのまま洞爺湖町へ。湖畔に活火山を従えるカルデラ湖で、夕食を挟みながら眺めるにはなかなか不思議な組み合わせです。夏は毎晩湖上に花火が上がり、湖畔の温泉旅館はこのルートの中でも指折りの寛ぎポイント。この日の走行は合計で約1.7時間・113kmです。
3日目: 函館(約1.8時間・120km)
洞爺湖から南下して函館へ、約1.8時間・120km。ここまでで一番長い区間で、このルートの南端が札幌から本当に離れていることを実感します。函館の魅力は2つに集約されます。函館山からの日本屈指の夜景と、早起きしてでも行く価値のある朝の海鮮市場です。坂の街並みと赤レンガ倉庫、歴史の残る雰囲気も加わり、通り過ぎるにはもったいない一泊です。
この日は距離的にも気分的にもルートの折り返し地点。ここから先はすべて空港方向への道になります。
4日目: 登別(約1.8時間・119km)
北へ戻る形で登別へ、約1.8時間・119km。地獄谷が湧かす、北海道随一の名湯の町です。11種類の泉質が町の湯を満たし、湯けむりはほぼどこからでも立ちのぼり、街中に並ぶ鬼の像もこのテーマにしっかり寄り添っています。3日間動き続けたあとは、この日を「何もしない日」に充てるのが正解です。
5日目: 倶知安 → 新千歳空港(約2.8時間・181km)
この旅で一番長い運転の日です。約2.8時間・181km。ルートは倶知安を経由します。世界が「ニセコ」と呼ぶパウダーの本当の住所であり、グランヒラフも羊蹄山の麓のここにあります。そこから新千歳空港へ向かいます。
最終日への率直なアドバイスは、予定を詰め込まないこと。走行距離は旅の中で一番長く、レンタカーの返却も控え、フライトの時間もあります。想定より多めの余裕を持ってください。時間が余れば、羊蹄山を眺めながら倶知安でコーヒー休憩をとるくらいがちょうどいい使い方です。この日の目的は「もう一つ何かをこなす」ことではなく、余裕を持って到着することです。
このルートを自分用に調整する
上記は効率を優先した順番ですが、旅程は人それぞれです。登別の代わりに函館をもう一泊にしたい、小樽の一泊をニセコに振り替えたい、というときは このルートをプランナーで調整する → から日数や興味関心を設定し直せば、行き先と走行時間を組み直してくれます。
あと2日あったら何を足すか
この周回ルートの自然な発展形は、北海道のもう一つの代表格、富良野のラベンダー畑と美瑛の丘、それに帯広周辺の十勝の農村地帯への寄り道です。北海道7日間モデルコースでは、同じゴールデンルートの骨格に道央の花畑と農村地帯を組み込んだ行程を紹介しています。5日間でも十分に濃い初回の旅になりますが、7日間あれば「もっと早く知りたかった」と思う旅になります。
ノーザンランド北海道 編集部(札幌)
